古代ギリシャ都市(ポリス)の中核の丘。 自然の丘を防壁で固め、その中に都市の守護神などの神殿を建ててある。非常時には最後の根拠地となるが、全市民を収容するため町全体にも城壁が巡らされるにつれて、軍事的よりも宗教的・精神的な中心となった。代表的なのはアテナイのもので、周囲から60メートルあまりの高さの石灰岩の急こう配の丘、西側だけに登り道があり、頂上の台地(南北150m、東西300mほど)ふぁ防壁で囲まれ、守護神アテナの聖地となっていた。今日では前5世紀後半の状態に可能な限り復元され、プロピュライア(楼門)、ニケ神殿、エレクティオン、パルテノンが建ち、崇高な景観になっている。南斜面にはディオニソス劇場、オデイオン(音楽堂)なども建てられ、北側の麓の平地のアゴラ(広場)には政庁や市場があった。 アテナイ西隣のメガラのアクロポリス「は双生児のように並ぶ二つのなだらかな丘、コリントスのものは、市の背後にそびえる巨大な丘で、アクロコリントスと呼ばれ、頂上にアフロディテ神殿などがあった。アルゴスでは大小二つの丘がアクロポリスとして固められ、大きい丘の斜面 に劇場、ふもとにアゴラがあった。スパルタのものは目立たない低い丘で、上に神殿があり、ヘレニズム時代には南斜面 に大劇場がつくられた。これは機能的にも美的にもアテナイのものに比すべくないが、ロドス島のリンドスでは海に臨む断崖を利用しての絶景となっていた。
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