西洋の精神的源流としてヘブライズムと対比されるギリシアの思想・文化をさす用語(M.アーノルドの説)。 時代概念としてはアレクサンドロス大王の東征出発(前334年)ないしその登位年(前336年)または没年(前323年)から、ディアドコイ(後継者)の時期を経て、ローマのエジプト征服(前30年)までの約300年をさす(ドロイゼンの説)。その間ギリシア本土のポリスは衰退し、プトレマイオス王国(エジプト)、セレウコス朝(シリア)、アンティゴノス朝(マケドニア)の各王国が並立した。世界的規模で都市・交通・経済が発展し、ギリシア語が共通語(コイネー)となり、ギリシア文化が各地のオリエント文化と接触融合して国際的性格をもった。 密儀宗教の盛行、とりわけ建築と彫刻に多くの遺物を残す芸術活動、アレクサンドリアにおける文献学や自然学の高度な達成も注目に値する。 |
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