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【き】3

【騎士】 きし
フランス語:cavaliere
イタリア語:caballero
ドイツ語 :Rittre
英語   :Knight

 一般に中世ヨーロッパの武士をさす。(ヨーロッパのほとんどの言語で騎士を意味する言葉は《騎手》という意味を合せ持っているが、ただ一つ英語のKnightの語源だけは例外で《従者》という意味。)
 元来重装騎兵を指したのだが、封建化の進展に伴い11世紀ごろまでに身分として固定化した。
 広義には王とその全家臣団を含むが、狭義には王・諸侯を除く家臣を指す。貴族身分、領主階級と重複したが、血統のみならず、武技・礼法等の資質により叙任されてはじめて騎士として認められた。
 武装権、決闘権、封土受領資格を取得し、主君に対する軍役奉仕や宮廷出仕などが義務づけられる。
 この騎士社会の中で育成された特有の風習と倫理観は〈騎士道〉と呼ばれ、古いゲルマン的慣習とキリスト教の影響が強く、忠誠と武勇・神への奉仕・弱者の保護・位の婦人に対する崇拝と献身などが強調された。その理想は多くの騎士物語や武勲詩にうたわれた。 十字軍の続発された12―13世紀に全盛期を迎え、各種の騎士修道会も創設され、特権の法制化も進んだ。しかし14世紀以降は火器と傭兵(ようへい)制の発達により軍事的意義は失われ、14―15世紀の百年戦争、15世紀の薔薇戦争、16世紀の宗教戦争を経て身分的にも没落して下級貴族の栄爵となった。
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【騎士修道会】 きししゅうどうかい
 磔刑(たっけい)のキリストの体から流れた血を受けたとされる聖杯(英語Grail、フランス語Graal)をめぐる伝説。アーサー王伝説の中核的モティーフで、ケルト起源との説が有力。作品化はクレティアン・ド・トロア《ペルスバルまたは聖杯物語》(1185年ころ)が最初で、多くの続編・翻案がある。
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【ギリシャ】 ぎりしゃ
 古代ギリシア語を用いる人々によって形成された政治的領域と文化の総称。
 自称Hellas
 英語Greece,Hellas
 ドイツ語Griechenland,Hellas
 フランス語Grlce,Helladeなど。

 前2000年ころ北方からギリシアに来住した民族の第1波はミュケナイ文明を形成、エーゲ海域を支配した。
 前12世紀、〈海の民〉の侵入によってミュケナイ文明は崩壊し、長い〈暗黒時代〉に入ったが、前9―前8世紀ころには王政が衰退して貴族支配下で多数のポリスが成立した。アテナイ(アテネ)、スパルタが代表的で、この間黒海沿岸、小アジアから南イタリア(マグナ・グラエキア)、スペインに及ぶ広範な地域に植民市が建設された。前5世紀前半ペルシア戦争に勝ち民主政治が発展した。

 初めアテナイはデロス同盟を結成して優勢となり、最も繁栄したが、前5世紀後半ペロポネソス戦争後はスパルタが、のちテーバイ(テーベ)が覇権を得た。前5―前4世紀はポリス民主政治の最盛期で、古典的文化が開花した。前4世紀以後ポリス社会は衰退し、マケドニアが支配権を握り、アレクサンドロスにより統一され、さらに前2世紀後半ローマの支配下に入り、ヘレニズム時代を迎えた。
 なお、古代ギリシアの文化的達成は高度であったにせよ、後世のヨーロッパによって自らの精神的故郷とされるのは多分にイデオロギーの産物である。



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