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カサンドラ

◆物語◆

国政を動かすほどの大富豪アルフォンソ・アローチャを祖父に持ちながら、突然の病気と事故により両親を失った赤ん坊は、財産目当ての祖父の後妻エルミニアの策略によって家から連れ出され、流れ者のサーカス一座の女占い師ドリンダに引き渡された。
18年後、カサンドラと名づけられ美しく成長した赤ん坊は一族の長ランドゥとの結婚が決まっていたが、一座とともにそうとは知らず訪れた故郷の街で知りあったルイスダビドと互いに魅かれあう。一族には『一族以外の異性と結ばれる事は大罪であり禁を破った者は必ず不幸な運命をたどる』という言い伝えがあり、それを知ったルイスダビドはカサンドラを案じて姿を消した。
亡き娘に生き写しのカサンドラを見たアルフォンソは彼女が自分の孫であることを知る。しかしそれを知ったのはアルフォンソだけではなかった。エルミニアの連れ後でアローチャ家の財産を狙うルイスダビドの双子の弟イグナシオもカサンドラの素性を知る。 イグナシオはアローチャ家の財産を手中に収める計画の一環としてルイスダビドのふりをしてカサンドラに近づき結婚する。
新婚初夜、訪れた海辺の別荘でその冷酷な本性を現し、傷ついたカサンドラは別荘を飛びだす。
一人になったイグナシオの前に訪れた女がいた。アローチャ家のメイドでかつてイグナシオと関係があり子供まで産んだ女ロサウラだった。彼女はカサンドラとイグナシオの結婚に嫉妬し、口論の末イグナシオを撃ち殺してしまう。 偶然イグナシオの死体を発見したルイスダビドはイグナシオの死を隠し、犯人を見つけるためにイグナシオとしてアローチャ家に戻った。そして彼は、自らが罪から逃れカサンドラに罪をなすりつけるためのロサウラの計略に陥り、カサンドラを犯人だと断定した。
心労のためアルフォンソが倒れ、危篤状態のアルフォンソの莫大な財産を巡ってアローチャは揺れる。
イグナシオの子を妊娠していたことが判り悩んだ末生まれてくる子供を愛し大切に育てようと決心した矢先、カサンドラは殺人容疑者として警察に拘留され獄中でイグナシオの子を出産するが、生まれた子供は先天性の病気を抱えていた。そんなカサンドラに保釈金を提供し監獄から出したのは、かつて婚約者で宝石売買によって富を得たランドゥだった。
カサンドラ逮捕に責任を感じていたルイスダビドは保釈中のカサンドラを連れての逃亡を計るが、赤ん坊の容体が急変し手当ての甲斐なく世を去った。
赤ん坊の死の責任はルイスダビドにあると考えたカサンドラは彼に対して憎悪の炎を燃やす。
その頃真実を知ったアルフォンソは不自由な身体で全てを書き記した手紙を遺した。 カサンドラの弁護士で彼女に思いを寄せるマンリケはルイスダビドに疑いの目を向け、ルイスダビドもまたカサンドラを救うためにイグナシオ殺しを自供する。
カサンドラ無実の見通しが立ったマンリケはカサンドラに愛を打ち明け求婚し、精神的に疲れ果てていたカサンドラはこれを受け入れる。結婚式の当日、ルイスダビドは花嫁カサンドラを強奪し、カサンドラは全ての誤解を解くき、二人は互の愛を再確認していた。
間もなくルイスダビドは警察に連れ戻され、罪が確定するかのように思われたが、その時アルフォンソの手紙が発見され事態は動いた。イグナシオ殺しの真犯人ロサウラによってエルミニアは重症を負わされ、そのことによりエルミニアの犯罪は露呈する。 死を目前にしたエルミニアは己の犯した罪の愚かしさを知り、カサンドラに謝罪する。
無実が晴れ初恋のルイスダビドとの恋が成就し、アローチャ家の全ての財産を相続する。

◇感想◇

結末はハッピーエンドだろうけれど、心優しい主人公がこれでもかっていうくらい試練に遭い、主要なキャラクターのほとんどが主人公に思いを寄せてるってドラマが好きです。 ここ所この手のドラマではスパーチャンネルで放映されている『カサンドラ』(全150話)にハマってました。

ドラマもそうだけど、私が通常架空の物語にはまる場合はご贔屓のキャラクターというものがいるのに、このドラマには珍しくそういう登場人物がいなかった。(強いて言えばロベルト医師が好みかな)誰かに感情移入することなく客観的な目で見られるドラマだった。
それでこのドラマを見始めたのですが、日ごろ日本のドラマやアメリカのドラマの派手な演出や凝った構成に慣れた目には、ベネズエラのドラマ『カサンドラ』のシンプルな作りは新鮮でした。
一時間番組で全150話のおかげでじっくりと個々のキャラクターが描かれている。主人公以外のキャラの独白までしっかりたっぷりあって、見ている人間は全てを把握しているのに物語が進まないもどかしさに、始めのうちはイライラさせられましたが、やがては快感に変わりました。
「もうそれはわかったから次に行って」とか「あんたまたそんなことを考えての」「それはこの間解決してたんじゃないの」なんて思わず声に出してしまいます。
大金持ちの唯一の相続人・事情により生家を離れて成長・心優しく美しいヒロイン・使える美男はみなヒロインの虜・分け合って一度は別れる恋人たち・政略結婚・愛人・夫の隠し子・殺人事件とこれだけの要素が含まれていれば面白くないわけがないのです。
難を言えばゴージャスさが足りないのが惜しい。すっごい大金持ちのアローチャ家が意外と質素なのは、金持ちってケチなのよねぇで納得ゆくのですけど、ランドゥが経営する街で一番の(国でも有数の)豪華なホテルの一番いい部屋ですらしょぼい。あれならバブル期のトレンディドラマの独り暮らしのキャラの部屋の方がよっぼど豪華だわ。 お約束の展開っちゃぁそうなのですけど、エルミニアさんがやけにあっさりと改心して謝罪しちゃうんですよね。ドリンダさんも似たようなことを言っていた「死を目の前にして自分の悪事全て許してもらおうだなんて虫のいい態度にはびっくりしますね。
それにしても登場人物の名前以外、街の名前だとか国の名前、病気の名前などの固有名詞が出て来ないお話だったなぁ。
それと自分の望む結果に繋がる人の話は信じず、望まない結果に繋がる話はなんでぇ? ってくらいあっさり信じてしまう人ばかりだったわねぇ。
今度はしっかりビデオテープ用意して録画準備しておくから、もう一度再放送してくれないかなぁ〜。

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